幸せだって、笑ってよ。
同期同志、オンでもオフでもみんなでいるのが楽しくて、特に近くにいた石田君と夫、どっちが本命なのか、当時の私は自分でもわからなくなっていた。

だから、どちらか一人だけを選ぶことを先送りにしていたのに、その流れを断ち切ったのは夫。

真剣な告白に断る理由はなかったし、夫に好意を持っていたのは確かだから、深く考えず、OKしてしまったのを憶えている。



でも、付き合い始めてから結婚するまでの数年間、二人の間に波風が立たなかった訳ではない。

すれちがいや、小さな喧嘩を繰り返すうち、私の中に疑問が湧いて来た。

もしかして、私は選択を誤ってしまったのかもしれない......



夫と付き合い始めてからも、石田君と私の関係は変わっていなかった。

彼氏彼女ではないけど、同期の中では一番の仲良し。

仕事上でもすぐに助けを求める相手だったし、恋愛の相談以外なら何でも話せた。
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