オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
ステージ裏に移動した俺は、すぐさま希和の姿を探す。
けれど、どこにも彼女の姿は無かった。
「御影さん」
「………電話してみる」
天宮が不安そうに俺の顔を窺っている。
俺はすぐさま希和に電話を掛けるが、繋がらない。
何度も何度も掛けてみるが、一向に電話は繋がらない。
こんな事、1度だって無いのに……。
不安が募る。
彼女の身に何か遭ったのではないだろうか?
俺の横で、彼女も三浦に電話を掛けている。
けれど、俺と同じで繋がらないようだ。
俺は機転を利かせ、ステージ脇の通路を走り
両社長のもとへと向かった。
7階の京懐石の店にいると踏んだ俺は一目散にそこへと向かう。
案の定、両社長はそこにいた。
「すみません、お食事中に」
「いや、どうかしたのかね?」
「京夜、何かあったのか?」
「あの、三浦さんは、今どちらに?」
「三浦?彼は少しの間、席を外すと先程連絡が来たが……彼に何か用があるのかい?」
「………いえ、何でもありません。失礼致しました」
何も知らないといった感じの2人に余計な事を話すのもどうかと思い、
俺は何事も無かったようにその場を後にした。
希和、今どこにいるんだ………?