オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
希和side
無事にイベントが終わり、残るはメディア対応のみ。
京夜様は天宮さんと共に再び表の舞台へと姿を消した。
私はそんな彼を見送り、素早くステージ側へと回り込む。
ステージ左脇に小さなブースが設けられ、
既に沢山のカメラや照明、音響マイクで取り囲まれている2人。
閃光のように鋭く光るフラッシュの嵐と
機関銃のように容赦なく突きつけられる取材陣の質問。
2人はそんな状況に慣れているのか、
顔色一つ変えずに質問に答えている。
……やっぱり、住む世界が違うんだわ。
自分自身に突き付けられた現実。
京夜様がカメラの隙間から視線を送ってくれるけど、
私は笑顔を作ってあげれそうに無い。
視界に納まる2人は、
まるでお伽話に出て来るような王子様とお姫様に見えた。
数メートル離れた場所からじっと2人を見据えていると、
「あの、すみません」
「ッ?!あっ、はい」
突然、真横から声を掛けられた。
声の主に視線を向けると………
凪彩さんの想い人・三浦さんという男性。
何やら真剣な顏で覗き込んで来た。