オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ

希和side



無事にイベントが終わり、残るはメディア対応のみ。

京夜様は天宮さんと共に再び表の舞台へと姿を消した。


私はそんな彼を見送り、素早くステージ側へと回り込む。


ステージ左脇に小さなブースが設けられ、

既に沢山のカメラや照明、音響マイクで取り囲まれている2人。

閃光のように鋭く光るフラッシュの嵐と

機関銃のように容赦なく突きつけられる取材陣の質問。


2人はそんな状況に慣れているのか、

顔色一つ変えずに質問に答えている。

……やっぱり、住む世界が違うんだわ。


自分自身に突き付けられた現実。

京夜様がカメラの隙間から視線を送ってくれるけど、

私は笑顔を作ってあげれそうに無い。


視界に納まる2人は、

まるでお伽話に出て来るような王子様とお姫様に見えた。



数メートル離れた場所からじっと2人を見据えていると、


「あの、すみません」

「ッ?!あっ、はい」


突然、真横から声を掛けられた。


声の主に視線を向けると………

凪彩さんの想い人・三浦さんという男性。

何やら真剣な顏で覗き込んで来た。


< 108 / 456 >

この作品をシェア

pagetop