オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
「んっ……」
「ッ?!三浦さん?……三浦さんっ!」
彼は口元を押さえて、膝から崩れるように座り込んだ。
そんな彼を支えるように腕を伸ばす。
「大丈夫ですか?!……歩けますか?」
既に意識が朦朧としているのか、
彼の体重が私の身体にのしかかって来た。
ダメだ、このままでは……。
人目が多いこの場所では、
彼に応急処置をする事さえ出来そうに無い。
私は彼の身体を支えて、素早くその場を後にした。
従業員通路の方へ向かいかけた私だったが、
機転を利かせて店舗内の通路を移動し始めた。
入口付近にある無料貸し出し車椅子に彼を乗せ、
百貨店のエントランスを横切り、タクシー乗り場へと。
念の為、後ろを振り返り追っ手が無いかを確認。
大丈夫、今のところ誰にも気付かれてない。
私達はタクシーに乗り込み、市内の病院へと急いだ。
土気色の三浦さん。
既に正気を失っている様子。
必死に手にしているボトルを取り、匂いを確認すると。
………んっ!!
これって…………。