オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
病院へ向かう車内。
数分揺られていると……。
突然、彼が吐気を催し始めた。
すかさず運転手さんからビニール袋を貰い、彼の口元に当てる。
やはり、状況から察して、ボトルの中には毒が盛られているようだ。
「すみません、急いで下さい!」
ジャケットの両ポケットにボトルを1本ずつ入れ、
彼を背負う形でタクシーを降りる。
すると、タクシーの運転手さんが救急外来の窓口で説明して下さり、
私は彼を背負った形でER(救命救急室)へと足を踏み入れた。
医師の質問に応えるようにポケットに入れたボトルを手渡す。
それを手にした医師はすぐさま内容物を確認し始めた。
「あの、彼は大丈夫なんですか?」
「今は何とも言えません。治療をしますので、外でお待ち下さい」
「…………はい」
看護師に誘導されるようにER内の待合室に通された。
大丈夫だよね?
命に別状は無いよね??
急に不安に駆られ、両手を握りしめる。
口に含んだのはたった一口。
大量に毒を飲んだ訳じゃないから………大丈夫だと、誰か言ってよ!