オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ


病院へ向かう車内。

数分揺られていると……。

突然、彼が吐気を催し始めた。


すかさず運転手さんからビニール袋を貰い、彼の口元に当てる。

やはり、状況から察して、ボトルの中には毒が盛られているようだ。


「すみません、急いで下さい!」





ジャケットの両ポケットにボトルを1本ずつ入れ、

彼を背負う形でタクシーを降りる。

すると、タクシーの運転手さんが救急外来の窓口で説明して下さり、

私は彼を背負った形でER(救命救急室)へと足を踏み入れた。



医師の質問に応えるようにポケットに入れたボトルを手渡す。

それを手にした医師はすぐさま内容物を確認し始めた。


「あの、彼は大丈夫なんですか?」

「今は何とも言えません。治療をしますので、外でお待ち下さい」

「…………はい」


看護師に誘導されるようにER内の待合室に通された。


大丈夫だよね?

命に別状は無いよね??

急に不安に駆られ、両手を握りしめる。


口に含んだのはたった一口。

大量に毒を飲んだ訳じゃないから………大丈夫だと、誰か言ってよ!


< 112 / 456 >

この作品をシェア

pagetop