オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
受取った携帯は絶え間なく震えている。
その携帯のディスプレイには『凪彩』の二文字が。
それを見た私は我に返り、自分のポケットに手を差し入れる。
仕事中はサイレントにしている為、着信しても分からない。
けれど、24時間護衛する筈の京夜様から離れ
私は今、病院の待合室にいる。
きっと、京夜様が心配してるに違いない。
すぐさまスマホを確認すると、着信が52件。
メールも恐ろしいほどに受信していた。
どうしよう。
京夜様に心配を掛けてしまった……。
慌てて電話を掛けようとして、手が止まる。
ここでは携帯は使えない。
私は救急外来の窓口へ繋がっているドアをくぐった。
すぐさま建物の外に出て、京夜様に連絡を入れる。
すると、1コールで彼が出た。
「希和ッ!!今どこにいる?!」
「あの、京夜様」
「どこだ、どこにいる?!三浦と一緒なのか?!」
いつもの落ち着いたテールボイスでなく、
狂気を滲ませた彼の声音に胸が締め付けられるように痛んだ。
彼に心配をかけてしまって、
こんなにも冷静を欠くほど取り乱させてしまった。