オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
その後、事件性を踏まえ、事情聴取が行われた。
私は一つ一つ丁寧に説明し、
凪彩さんもボトルを受取った所から
彼に手渡した経緯を説明した。
彼女にペットボトルを手渡したのは……。
内部抗争に不可解な点があると漏らしていた矢先、
今回の事件が起こってしまった。
警察に対して天宮社長は真剣な表情で口にした。
「その男の怨恨に因るものだと思われますので、こちらでも改めて調べてみます」
役員の背任行為で解任するに当たっては、
それなりの準備も必要だと思われる。
それに単なる機密漏洩とかでは無く、
今回は殺人未遂という背筋も凍るほどの事だ。
天宮社長も娘の命が狙われたという事に怒り心頭のご様子。
事情聴取を終え、三浦さんの無事な姿を見届けてから
私と京夜様は病院を後にした。
帰りの車内、緊迫した空気が漂う中。
「京夜様?」
「………」
彼は無言で車を運転している。
彼が怒るのも無理はない。
私が心配させるような事をしたんだから……。
私は膝の上でギュッと両手を握りしめていた。