オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ


俺の直球の質問に視線が泳ぐ彼女。

ほんの2時間程前に

彼女の気持ちはちゃんと聞いている俺だが、

それでも不安で仕方ない。


部屋の掃除1つも出来ないような俺の事を

本当に想ってくれるのだろうか?


彼女から『YES』の返答を聞きたくて

握りしめている手を包み込むようにそっと手を重ねた。


そんな俺を黒目がちな大きな瞳がじっと捕らえる。

そして………。


「す………好きですよ、言葉に出来ないくらい。私以外の女の人が、半径2m以内に近づいて欲しくないくらい………だ、大好きですッ/////」

「………そうか」

「んッ////」



彼女の言葉はダイレクトに心に響いた。

けれど、どうやって自分の想いを伝えたらいいのか解らない。


俺は素っ気なく相槌し、彼女をギュッと抱きしめた。


「京夜様は私の事、………す、好きですか?」

「…………ん?」

「………私の事、好きですか?」

「愚問だ」


俺の根性は相当捻くれているらしい。

彼女は恥じらいながらも、

素直に言ってくれたというのに

俺ははぐらかす事くらいしか言えないでいる。


いつか、いつの日か、

ありのままの気持ちを伝えれる日まで

もう少しだけ、俺の我が儘を見逃してほしい。




< 12 / 456 >

この作品をシェア

pagetop