オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
俺の直球の質問に視線が泳ぐ彼女。
ほんの2時間程前に
彼女の気持ちはちゃんと聞いている俺だが、
それでも不安で仕方ない。
部屋の掃除1つも出来ないような俺の事を
本当に想ってくれるのだろうか?
彼女から『YES』の返答を聞きたくて
握りしめている手を包み込むようにそっと手を重ねた。
そんな俺を黒目がちな大きな瞳がじっと捕らえる。
そして………。
「す………好きですよ、言葉に出来ないくらい。私以外の女の人が、半径2m以内に近づいて欲しくないくらい………だ、大好きですッ/////」
「………そうか」
「んッ////」
彼女の言葉はダイレクトに心に響いた。
けれど、どうやって自分の想いを伝えたらいいのか解らない。
俺は素っ気なく相槌し、彼女をギュッと抱きしめた。
「京夜様は私の事、………す、好きですか?」
「…………ん?」
「………私の事、好きですか?」
「愚問だ」
俺の根性は相当捻くれているらしい。
彼女は恥じらいながらも、
素直に言ってくれたというのに
俺ははぐらかす事くらいしか言えないでいる。
いつか、いつの日か、
ありのままの気持ちを伝えれる日まで
もう少しだけ、俺の我が儘を見逃してほしい。