オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
「はい」
「あの、御影さんですか?」
「………はい、そうですけど」
「私、天宮凪彩です」
「ッ?!おいっ、今まで何で連絡して来なかったんだよっ!ってか、今どんな状況なのか分かってんだろうなッ?!」
俺は相手が凪彩だと分かった瞬間、理性を手放した。
令嬢だか何だか知らねぇが、俺にとって『女性』と思えるのは希和しかいない。
「おいっ、聞いてんのかッ?!今どこにいんだよっ!!」
捲し立てるように吐き捨てると、彼女はポツリポツリと言葉を漏らし始めた。
「今は友人の家にいます」
「はぁっ?!お前、暢気なもんだな!こっちは地獄を見てるってのに」
「その件に関しては、本当に申し訳ありません!!これには事情がありまして……」
「事情?っんなもんは知らねぇよっ!!」
「御影さん、落ち着いて下さい!」
「お前、よくも俺様にそんな口が聞けたもんだな。フッ、これだから女は嫌いなんだよ」
ブチっと切れた理性は、そう簡単には元には戻らず……。
俺は怒り心頭で、電話越しに怒りの矛先を向けていた。
すると、
「あれから私は24時間、父の監視の下、家から出る事もままならなくて……。勿論、御影さんに連絡を入れようと思ってたのですが、ライフラインを絶たれてしまって、どうする事も出来なかったんです」
「………」
「今日は、先日お会いしたあのカフェの友人の誕生日パーティーという事もあり、何とか2時間だけ家を出る事が出来ました」
「………で?」
「今はその友人の携帯から電話しています」