オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ


天宮凪彩の言葉を信用すると、恐らく彼女の父親が身内からの攻撃を避ける為に取った行動だろう。

だが、俺には関係ない!

天宮製薬の内部が揉めてようが、俺には一切関係無い事だ!


彼女の話によると、『婚約パーティー』は執り行われる予定で決定らしい。

既にメディアにも通達されているようで、数日前にパーティー用の衣装を決めたらしい。

そんな事を聞かされても困るだけだ。

俺は一体、どうしたらいいんだ。



結局、天宮凪彩との電話では糸口すら見つからず……。

俺はお手上げ状態に陥った。




「京夜様、星野物産との打ち合わせ時間が変更になりまして……―――……」


俺の目の前にいる希和は気丈に振る舞っているが、日に日に顔色が悪くなっている。

恐らく、殆ど寝れてないのだろう。


必死に笑顔を振りまく彼女が痛々しげで……。


神様はどうして俺らを試すような事ばかりするのだろうか?と何度も恨んだ。

彼女に作り笑いじゃ無く、心から笑顔になって貰いたいだけなのに……。


コスモス畑で祖母と肩を並べ、満面の笑みを浮かべた彼女のように。

倖せを全身で感じて欲しいだけなのに―――――。





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