オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
「私はどんな結果になろうとも、京夜様を恨んだりしません。今のお気持ちだけで充分です」
「………希和」
いつだって彼女は自分の気持ちを後回しにする。
俺が困る事は決して口にしないし、俺の事を1番に考える。
もうそんな想いはしなくていいのに、彼女は決して揺るがない。
本当に俺には勿体ないほどの素晴らし過ぎる女性だ。
俺は彼女と共にパーティーが行われるというホテルへと向かった。
ホテルに着くと同時に物凄い数の報道陣に取り囲まれる。
車から降りる事さえままならないほど……。
そんな中、1人だけもろともせず立ち向かう人がいる。
―――――俺の最愛の女性・希和。
ホテルのスタッフにも助けられ、何とか控室と書かれた部屋へ通された。
「京夜様、お怪我はございませんか?」
「………ん、俺は大丈夫だ。希和は?揉みくちゃにされて、怪我でもしてるんじゃないか?」
「私は大丈夫です。そんなに軟には出来てませんから」
「それならいいが、無理だけはしないでくれ………頼むから」
「………はい」
控室に用意されていた椅子に腰かけ、彼女の手をギュッと握りしめた。
俺は何があろうとも、この手を決して離さない。
彼女の為なら『御影』を捨てても構わないとさえ思っている。
きつく握る俺の手を握り返し、柔らかい笑みを向けてくれる彼女。
そんな彼女の髪に指先を這わせると――――。