オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
真剣な俺の表情を察してか、
彼女もまた真剣な瞳に変った。
「明日は実家に行っててくれ」
「えっ?何か、ご予定でも?」
「…………あぁ」
「では、お供致します」
「ダメだ」
「ッ?!………何故です?」
「……………」
「24時間、傍にいろとおっしゃったのは京夜様ですよ?」
「……………」
俺の発した言葉で途端に涙目になる彼女。
別に突き放したくて言った訳じゃ無い。
ただ、きちんとけじめをつけてから
それから俺の全てで包んでやりたくて……。
今はこの状況に浮かれている時では無い。
俺は、ほんの数時間前まで『結婚』すると決めていたのだから。
「ごめん」
「ごめんって、何ですか?」
「今は言えない」
「言えないって、何をです?」
「………」
「京夜様!!」
「悪い。…………今は、俺を信じて待っててくれ」
「…………それって……………」
俺の腕の中でみるみる顔色が曇ってゆく。
メディアでも取り上げられているし、
彼女は変に勘の鋭い所があるから、
きっと、俺の言わんとする事を察してるだろう。