オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
「おい、三浦。そういう事を口にするのは、自分の女にだけしろ。婚約早々破談になっても、金輪際お前らとは関わるつもりは無いからな?」
「……はい、肝に据えておきます」
「フッ、調子のいい奴」
一触即発な雰囲気かと思ったけど、意外にも大丈夫そうね。
ホント、京夜様は何処でスイッチが入るか分からない。
安堵の溜息を零すと、凪彩さんが私の手を取った。
「希和さん」
「………はい」
「次は貴女の番よ」
「………そう……ですね」
次は……と言われると、何て返答していいのか困る。
だけど、心の底から嬉しくて……。
握られる手元に視線を落とすと、
「素敵な指輪ですね」
「あっ、これですか……?」
はにかみながらそれに視線を落とした彼女。
その瞳は既に潤んでいて、本当に幸せなんだと感じた。
「倖せになって下さいね」
「ありがとう。………希和さんもね」
「…………はい」
白く華奢な彼女の薬指には
全ての事柄を浄化してしまうほどの光を放つエンゲージリングが煌々と輝いていた。
いつの日か、私の薬指にも――――