オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
「もう一度だけ言う。退け」
「嫌です!」
腕組みをして凄味のある視線が降り注ぐ。
久しぶりに浴びる冷視線に条件反射のように身が縮む。
けれど、こればかりは譲れない。
こんな身なりだけど、私だって一応『女』だもん。
好きな人に“下着”が入っている引き出しを開けられたら……。
威力抜群の冷視線に思わず屈服しそうになるのを必死に堪え
負けじと真っ直ぐ見つめ返す。
「俺に隠し事か?」
「は?」
「そこに、俺には見せれない物が入ってるって事だろ?昔の男に貰ったモノか?それとも、写真か?」
「はっ?………そんなモノはありませんよっ!というより、今まで1度も彼氏がいた事なんて無いですから!」
「ッ?!………それ、本当か?」
「…………はい、嘘は吐きません」
自分で言っておきながら恥ずかしい。
恋もろくにせずにこの歳まで過ごして来ただなんて……。
しかも、そんな事を……好きな人に白状してるってどういう事?
溜息が漏れだし、自然と視線が降下して行くと……。
ふわりと長い腕に抱き締められた。
「そんなに落ち込む事は無い。世の男共が、希和の良さに気付かないだけだ。返って俺には好都合だ」
「ッ!!/////」
耳元でそんな風に囁かれると、
嬉し過ぎて心臓が小躍りするじゃないっ!
あまりの嬉しさに無意識に彼のシャツを掴むと――――。