オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
「ッ?!……あっ!!」
京夜様は私の身体を抱き締めたままくるっと反転して、
私が必死にガードしていた引き出しを開けてしまった。
しかも、中身を確認して…………硬直してる。
そりゃあ、そうだよね。
ブラとショーツしか入ってないもの。
見られてしまった私は、一体何て声を掛けたらいい訳?
ギュッと奥歯を噛みしめ、
硬直している彼の手先をゆっくりと引き出しから離し、
私は素早く引き出しを閉めた。
「だから、見せられないって言ったんです」
「………悪い」
「京夜様が見ると分かっていたら、もっと綺麗な下着を揃えておきたかったです」
「え?」
「好きな人には、いつだって良く見られたいモノです」
内心はとても複雑な心境だけど、
“いつか”は見られるであろう姿を想像し、
私は至極冷静に言葉にした。
彼が何をしたかったのか全く以て理解出来ないけど、
今は、ここから立ち去った方がいい気がしてならない。
言葉を失った彼がますます困惑の色を浮かべ始めた。
「変なモノを見せておきながらどうかと思いますが、朝食のご用意が整いました」
「………ん」
「冷めてしまいますから、行きましょ?」
「ん」
私は彼の手を引いて、その場を後にした。