オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ


「だから、服を物色してた」

「…………え?」


理由は理解出来たけど、いまいち答えに結びつかないんだけど?

彼は一体何をしようとしてたのかしら?


腑に落ちない私は首を傾げていると、


「チッ、……ついて来い」

「ッ?!」


舌打ちした彼はカップをテーブルの上に置き、

颯爽と歩いて行ってしまった。

そんな彼を追うように向かった先は――――。

小一時間ほど前に一悶着あった場所。


しかも、先程と同じように再び物色している。

そんな彼を黙って眺めていると……。


「下はこれ、上はこれにしろ。で、………これを首に巻け」

「…………?」

「何アホ面してんだ?」

「えっ?」

「だから、デートしてやるって言ってんだろ」

「ッ?!ほっ、本当ですか?」

「二度も同じ事言わせんな」

「あっ、ありがとうございますっ!」

「分ったら、これに着替えろ」

「ハイ!」


京夜様が選んで下さった服を受取ると、


「髪は………いつものな?」

「ハイッ!!」

「フッ。じゃあ、リビングで」

「はい////」


破顔した彼に頭を撫でられ、

私はすっかり乙女の顔になっていた――――。


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