オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
軽くシャワーを浴びて準備をする。
メイクは念入りに施し、髪は彼のご希望通りにハーフアップに。
そして、いつもの定位置にヘアピンをあしらう。
鏡に映る自分がヘアピン1つでお姫様に変る。
それはまるで、王子様の愛がそうさせているかのように。
鏡の中の自分に優しく微笑みかけて最後の仕上げを。
ベッドの上に並べられた服。
自分で置いた筈なのに、
彼が選んでくれたというだけで違って見える。
部屋着のTシャツを脱いで、ブラウスを手にした。
サラッとした滑らかな手触りは最高級のシルクサテン。
しかも、ネイビーという色目が洗練された上品さを醸し出している。
……私がこれを着こなせるだろうか?
一抹の不安が過り、鏡越しに胸元に当ててみる。
すると、ブラウスを着た私の横で
彼が優しい笑みを浮かべてくれる気がした。
大丈夫、彼が私の為に選んでくれたんだもの。
私は勇気を出して、それに袖を通した。
先日お母様がご用意して下さった服の数々。
その中から選んでくれた今日のコーデ。
ハイセンスなそのコーディネートは海外セレブを思わせる。
スタイリッシュで洗練されていて、尚且つ上品そのモノ。
私は御影京夜の婚約者としての戦闘服を身に纏うように、
緊張しながら着替えを済ませた。
そして―――――。