オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ


軽くシャワーを浴びて準備をする。

メイクは念入りに施し、髪は彼のご希望通りにハーフアップに。

そして、いつもの定位置にヘアピンをあしらう。

鏡に映る自分がヘアピン1つでお姫様に変る。

それはまるで、王子様の愛がそうさせているかのように。


鏡の中の自分に優しく微笑みかけて最後の仕上げを。


ベッドの上に並べられた服。

自分で置いた筈なのに、

彼が選んでくれたというだけで違って見える。


部屋着のTシャツを脱いで、ブラウスを手にした。

サラッとした滑らかな手触りは最高級のシルクサテン。

しかも、ネイビーという色目が洗練された上品さを醸し出している。

……私がこれを着こなせるだろうか?


一抹の不安が過り、鏡越しに胸元に当ててみる。

すると、ブラウスを着た私の横で

彼が優しい笑みを浮かべてくれる気がした。

大丈夫、彼が私の為に選んでくれたんだもの。


私は勇気を出して、それに袖を通した。


先日お母様がご用意して下さった服の数々。

その中から選んでくれた今日のコーデ。

ハイセンスなそのコーディネートは海外セレブを思わせる。


スタイリッシュで洗練されていて、尚且つ上品そのモノ。


私は御影京夜の婚約者としての戦闘服を身に纏うように、

緊張しながら着替えを済ませた。


そして―――――。


< 149 / 456 >

この作品をシェア

pagetop