オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
背中に回された腕に力が入る。
きっと、不安で堪らないのだろう。
俺はこんなにも一途だというのに……。
18年以上も想い続けた男を見くびんなよ?
俺は彼女を安心させようと抱きしめ返した。
そして…………。
「心配すんな、俺を誰だと思ってる」
「でも……」
「お前は何も考えず、花嫁修業でもしてろ」
「ッ?!/////」
「この俺様を満足させられるように、精々頑張るんだな」
「なっ?!!」
本当はもっと優しい言葉を掛けてやりたい。
でも今は、気休め程度の言葉は返って彼女を不安にさせる。
それならば、いつもの俺で……俺の言葉で
彼女の気持ちを少しでも軽くしてやりたかった。
ぶっきら棒かもしれない。
傲慢で一方的な言葉かもしれないが、
きっと、彼女なら理解してくれるだろう。
この俺をここまで揺さぶり、つき動かす女性なのだから。
「なぁ、ここで寝るつもりじゃないよな?」
「へ?」
「いつまでそうして抱きついてるつもりだ?襲うぞ」
「へっ?あわわわわぁッ?!//////」
「フフッ、部屋はそのまんまにしてある。……ゆっくり休めよ」
俺は彼女を抱き締めた余韻に浸りながら、自室へと向かった。