オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
私達はピザ専門店を後にし、
映画上映開始時間までショップ巡りをする事に。
彼はいつだって私の左側に立つ。
何故かは分からない。
元々は左ハンドルの彼の車に合わせ、
ヘアピンを彼の視線に留めて貰いたくて左側をハーフアップにした。
それが今では当たり前のように定着して……。
歩く時でも彼は私の左側に立つ。
自分の利き腕は空けておきたいと思うのが普通なのに、
私達はその普通が逆転している。
男が女を守るのではなく、女が男を守るのだから。
だから、私の効き腕が空いているのがベストな訳だし……。
この私達のスタンスポジションは理にかなっている。
私の左手をそっと握る彼。
前ほどぎこちなくはない。
それに、私だって勇気を振り絞って
出来るだけ、彼の腕に寄り添うようにしている。
「京夜様!あそこの雑貨屋さんを見てもいいですか~?」
「ん~、好きにしろ」
「はぁ~い」
彼の手を軽く引きながら雑貨屋を目指す。
御影の御曹司が雑貨屋にいるとは、誰も思わないだろうなぁ。
私はグラスが並べられているコーナーに立ち寄って……。