オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ


「どうかしましたか?」

「いや、別に……」


彼が向けていた場所へと視線を落とすが、何も無い。

そこには、私には贅沢過ぎるほど綺麗なブーティがあるだけ。

ん?と小首を傾げて彼に視線を戻すと、


「意外と脚は細いんだな」

「へっ?///////」


ゴミでも付いていたのかと心配していた私に

とんでもない台詞が耳に届いた。


「長いとは思ってだけど、綺麗な脚で驚いた」

「なっ、なっ……!!//////」


何て事をおっしゃるんですかッ!!

私を煽てて何をなさるおつもりですか?!

脚が綺麗? しかも、細い??

そんな筈は無い!!

20年以上も稽古に明け暮れ、筋肉だらけなのに……。


「じ、冗談は止めて下さい」

「冗談なんて言ってどうする」

「へ?」

「俺はお世辞は嫌いだ。知ってるだろ?」

「…………はい」

「だから、見たままを口にしたまでだ」

「ッ/////」


彼は仕事以外では絶対にお世辞を口にしたりしない。

だからこそ、彼の真意が分かりかねる。

本当にそう思ってくれたって事?


嬉しいような恥ずかしような複雑な気持ち。

だって、彼にそんな風に見られてただなんて……。


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