オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
映画を観終った俺らは、残りのショップを廻る事に。
「希和、本当に欲しい物が無いのか?」
「京夜様と一緒に見れるだけで充分です!それに、お母様が沢山ご用意して下さったので」
「そうか?」
彼女はあれこれと手にとっては元ある場所に戻す。
俺がそれを買おうとすると物凄い速さで奪い取るんだ。
半ばキレ気味になった俺は、
ショップ内の商品を買い占めようと思ったりもしたが、
彼女が望むモノは品物では無い事は分かっている。
こうして、俺と一緒にいる時間を愉しみたいのだと……。
だけど、俺としては買ってやりたいし、
少しくらい彼女から甘えて欲しい。
先日の晩酌の時みたいに本音を零して欲しいんだ。
彼女に手を取られ、何軒かはしごしていると
不意にメンズ服専門店の前で足を止めた彼女。
「希和?………どうかしたか?」
「え?あっ………あの」
「ん?」
「京夜様、私の我が儘を聞いて下さいますか?」
「我が儘?ん、何の事だかよく解らないが、何でも言ってみろ」
「本当ですか?怒らないで聞いて下さいます?」
「ん~、内容にもよるが………女装をしろとか、この場で裸になれとか以外なら何でもいいぞ?」
俺の言葉により一層瞳を輝かせた彼女。
漸く俺に心を開いてくれるらしい。
どんな事を言われるのかドキドキしながら彼女の言葉を待っていると。