オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ


「私にカジュアルな服を選ばせて下さい!!」

「は?」

「だって、京夜様はいつもビシッとカッチリ着こなす服ばかりで、自宅にいてもスタイリッシュ過ぎます!」

「そうか?」

「はい!だから、もう少しラフな格好の服も見てみたいです」

「………希和が言うなら」

「ホントですか?!」

「あぁ。ってか、我が儘ってそんな事なのか?」

「へっ?」

「いや、俺はもっと凄い事を言われるのかと思ったから……」

「凄い事って?」

「あ、いや……何でもない。気にするな」

「ん~??」


小首を傾げる彼女。

漸く彼女が提案してくれた事が、俺の服を選びたいだなんて。

ホント、俺には勿体ない女性だよ。



俺らは目の前のショップに足を踏み入れた。

かなりカジュアルな服を販売しているショップで

名前だけは知っている。

一応、これでも流通業のトップに立つ人間だからな。

流行や傾向など、それ相応に把握しているつもりだ。


希和は冬物のセーターを見始め、

手にとっては俺の胸に当てている。

何だか、ちょっと照れるもんだな。


「ん~、イメチェンしたいんですよねぇ~」

「イメチェン?」

「はい。いつもモノトーンが多いから、少しくらいはカラーバリエーションを増やそうかと……」


そう言って、彼女は少し派手めな色のセーターを物色し始めた。


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