オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
恋人同士が甘い時間を過ごすクリスマスも
京夜様と私は仕事に追われて
結局大晦日の夜まで気の休まる時間も無く……。
自宅マンションに帰宅したのは23時45分。
あと15分で新年を迎えてしまう……そんな時間。
風情を味わうなら年越し蕎麦でもと思うけど、
京夜様は大分お疲れのご様子。
元旦の明日は、暫くぶりの完全休日。
仕事始めが2日なので、
この貴重な時間をゆっくり過ごしたいだろうし。
リビングを横切り、自室へ向かう彼の背中に声を掛けた。
「京夜様、何かお作り致しましょうか?」
「……ん~、そうだな。軽いつまみでも作ってくれ。久しぶりに飲みたい気分だ」
「はい、承知しました」
「シャワー浴びて来る」
「はい」
彼は振り返る事無く、自室へと向かって行った。
私はすぐさまキッチンへと移動し、
ワインやシャンパンに合うようなおつまみを作り始めた。
爽やかなミントの香りを纏った彼が姿を現した。
「それくらいでいいから、希和もシャワー浴びて来い」
「はい」
私と入れ替わるように彼がキッチンの中へと。
慣れた手つきでカクテルの準備を始めた。
そんな彼を横目に見ながら、私は自室へと向かった。