オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
シャワー自体は素早く済ませて、お肌のお手入れは入念に。
そして、短い髪をサッと乾かした。
この時ばかり、長い髪でなくて良かったと思う。
だって、京夜様を待たせる訳にはいかないから。
シルクのパジャマの上に手触りの良いカーディガンを羽織って、
深呼吸しながらリビングへと向かった。
久しぶりの晩酌。
夕食時にワインを出す事もあったけど、
こうして、改まってお酒を酌み交わす事は本当に久しい。
不意に高鳴る胸を隠すように
カーディガンの襟部分に手を添えながら……。
「遅くなりました」
「もっとゆっくり浸かって来ても良かったんだぞ?」
「えっ?あっ、……いえ、十分ゆっくりさせて貰いました」
「……そうか?」
「はい」
ほんの少し眉間にしわを寄せ、私から手元へと視線を落とした。
定位置といわんばかりに、彼の斜め右側に腰を下ろすと、
「寒くないか?床じゃ冷えるぞ?」
「大丈夫ですよ。エアコンも付いてるし、床暖も入れて下さってるじゃないですか」
私の返答が気に入らないのか、ますます眉間のしわが深くなった。
そんな彼の表情にハラハラしながら、おつまみを取り分けると。