オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
煌びやかな光を反射させる大理石。
その床をいつもの如く優雅に歩み進め、
俺様に媚びへつらう奴らを横目に
俺は最上階のスウィートルームへと。
希和を見送った俺は、都内にある有名ホテルにいる。
『御影』の名で予約すれば、当然の如く、この扱い。
どこかの国の王族でももてなしているのではないか?と思わせる対応。
別にわざわざ昼食を取りに来た訳ではない。
ここですべき事があるから来たまでで…。
プライベートが確保できる場所ならどこでも良かった。
ただそれが、一石二鳥ならぬ一石三鳥になったから笑いが止まらない。
この程度のホテルなら、買収する事くらい容易い事。
まぁ、手に入れたところで、手間が増えるだけだ。
都内が一望できるリビングは南向きで、
どんよりとした天気にもかかわらず、皇居を見下ろす事ができる。
そんな景色を眺めながら、俺はエスプレッソを口にした。
希和の同窓会は15時から。
その前に、以前話していた親友と食事をすると言っていた。
久しぶりの女子会なのだから、ゆっくりさせてやりたい。
この先、俺の傍にいる限り、
彼女にはプライベートな時間も空間もなくなってしまう。
俺は生まれながらにそうあったから気にも留めないが、彼女は違う。
いつの日か、それが苦痛に感じるようになるかもしれない。
俺はその時、どうするだろうか……?