オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
全ての打ち合わせが終わり、腕時計に視線を落とすと、15時15分。
同窓会が既に始まっている時間。
今頃、どんな会話をしているだろうか?
久しぶりに会う級友たちと楽しく過ごしているだろうか?
そんな事を考えながら、パソコンで株価をチェックし始める。
雨宮の一件を機に、俺と希和の関係もマスコミに知られてしまい、
今は御影の圧力で希和の個人情報は捻じ伏せているものの、
漏れ出してしまうのも時間の問題。
本当は今すぐにも公表して、世界中の男どもに知らしめたい。
『彼女は俺様の女』なんだと……。
けれど、嫌な事だけでは無いのも事実。
実際、株価は急上昇。
正直、複雑な気分だ。
軽い食事をルームサービスで頼み、暫しの休憩。
どんよりとしていた曇り空も少し回復して来たようで、
雲の隙間から日が差してきた。
今朝、薄着で出掛けた彼女の事を思い、ホッと安堵する。
「そろそろ行くか」
腕時計で時間を確認し、ゆっくりと腰を上げた。
部屋を後にした俺は、エレベーターで1階へと。
フロントに顔を出すと、総支配人が現れた。
「頼んだ物は……?」
「はい。ご希望通りに……」
「フッ、……そうか」
丁寧にお辞儀する支配人を横目に不敵な笑みが零れた。