オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
「確か……松波さんって、防衛大に行ったのよね?卒業後は何を?もしかして、本当に……自衛官になったのかしら?」
“女性が自衛官になんて…”と、嘲笑するかのような視線。
都内でも有名な進学校だった母校。
しかも、女子が防衛大を志望するとあって、かなり注目を浴びた私。
出来る事なら普通の女子大に行きたかったし、
ごく普通の大学生活を送りたかった。
そんな過去をも思い出させるような彼女の言葉。
朱夏の言う通り、性格は最悪だ。
「自衛官にはなってないわ。……普通のOLだけど………」
「へぇ」
自衛官という職業を馬鹿にしている訳じゃない。
ただ、父親の言う通りにしたくなかっただけ。
でも、結局は“父親が望む道(御影との縁)”を辿っている。
ううん、違う。
“普通のOL”でも蔑んだ表情の彼女。
フフッと鼻で笑っている。
外資系の商社、CA、弁護士……、華のある職業に就いている友人達。
はたまた、実業家や官僚の妻といった座に収まった人も。
武道に専念していた私にとって、
ここにいる事自体、場違いなのかもしれない。
自信に満ち溢れている彼女は、優雅にシャンパングラスに口をつけた。
そんな彼女に向かって……
「希和はね……、みっ「朱夏っ、新しいお料理が出て来たから、取りに行こう!」