オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
飲み放題のビュッフェスタイルだと受付時に話は聞いてたけど、
それにしたって、料理の数が半端ない。
和洋折衷なのも有難いけど、
使われてる素材だって相当高価な物ばかり。
京夜様のお世話をするようになって勉強し直したけど、
素材にだって『旬』ってものがある。
ふんだんに使えばいいってものじゃない。
目の前の料理に使われているものはどれも、最高級クラスのものばかり。
しかも、このホテル……確か、三ツ星だったはず。
以前、御影の仕事でここへ来た事がある。
その時は懐石だったけど、凄く美味しかった事を記憶している。
それに、飲み放題って言ったって、
普通、ビールや焼酎、日本酒くらいよね?
ワインやカクテル、シャンパンまであるものなの?
大学の同窓会の時と比べて、差があり過ぎ。
そんなお料理を次から次へとお皿に盛る朱夏。
さっきの鬱憤を食べる事で紛らわせたいみたい。
そこは、あっという間に人だかりになった。
「希和っ、あっちのも取ってくるねぇ」
「あっ、うん」
朱夏は瞳を輝かせて和食コーナーへと。
10種類以上ものスィーツが姿を現し、益々人だかり。
そんな人だかりの向こうに見覚えのある人が…。
思わず、足がその人のもとへと。