オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ


200人を超える同窓会の会場は豪華料理が次々と現れた事により、私の行く手を阻む。


「あっ…」


バンケットスタッフに指示を出したその人は、足早に会場を後にした。

私は同窓生達の合間を縫ってやっとの思いで会場の外へと出てみると……。


黒い制服をカチッと着こなすその人は、背のすらっとした男性と会話中。


私が追っている人は、このホテルの支配人。

少し前に御影の仕事でこのホテルを使用した際に挨拶を交わしたから記憶に新しい。

京夜様と一緒でなければ、挨拶する事だって難しいだろう。

そんなお偉い方を忘れるはずがない。

しかも、彼には特徴がある。

今時珍しいオールバックのヘアスタイル。

だから、印象深くて……。


彼と会話中の男性は私に背を向けている。

後姿だけでは分かり兼ねるが、長身な上、脚が長い。

しかも、カジュアルな着こなしなのに、三ツ星ホテルに見合うような洗練されたいでたち。

そんな雰囲気が後姿から漂っている。


ううん、違う。

格好だけじゃない。

立ち姿がそう思わせるんだ。

自信に満ち溢れ、臆するものは何も無いといった感じの堂々とした姿勢。

誰かに似ている……。

どかで見たような………。


「へっ?……………嘘……よね?」


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