オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ


「朱夏~!希和ぁ~!こっちこっち!!」


私たちの姿を見つけた友人が手を振って合図している。

豪華な料理が出て来た時より賑やかな雰囲気。

友人達が確保してくれた円卓に着くと同時に、

幹事の子達がステージ上に姿を現した。


「今から何が始まるの?」


右隣に座っている友人の桃子に尋ねると、1枚のカードを手渡された。


「あっ、ビンゴ?」

「ん!今回は景品が相当豪華らしいよ」

「っ?………そうなんだ」


友人達をはじめ、会場にいる同窓生達の瞳が

ステージ脇のテーブルに釘付けになっている。

その景品の山を見た途端、急に不安になって来た。

だって………。


「それでは、ビンゴゲームを始めたいと思います。皆さん、お手元にカードが届きましたか~?まだ届いてない人は手を挙げて下さいね~」


幹事の子のマイクアナウンスが場内に響き渡る。

けれど、その声さえも遠くの方で響いてるように聞こえて……。


だって、会費5000円にしてはありえないような豪華景品がズラリと並んでいるから。

ネクタイ、スカーフ、タブレット、自転車、腕時計……

どれも有名なブランド品ばかり。

1つや2つならともかく、その数も多くて……。



益々不安が募って来た。

どう考えても思い当たるのは1つしかないもの……。



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