オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
視線をどこに置いてよいのか分からず、
思わず俯いていると…………。
突然、長い腕が視界に入ったと思った次の瞬間、
私の身体はその長い腕の中に閉じ込められた。
しかも、私をドキドキさせる高級フレグランスの香りを漂わせて。
一気に顔が上気し、物凄い速さで鼓動が早鐘を打つ。
私の心臓、壊れるんじゃないかしら?
「理由が聞きたいか?」
「ふぇっ?」
「フッ、何だ?その、間抜けな声は」
「ッ?!////だ、だって……」
いつもの京夜様だ。
言葉はいつもと変わらないのに、
漂う雰囲気は未だかつてないほど甘く、そして柔らかい。
言葉はぶっきら棒だけど、声音はとても優しい。
ちょっと意地悪な感じだけど、
彼の優しさが触れる肌から伝わってくる。
どどど、どっ、どうしよう。
こんな風に男性と接した事が無くて、
どうしていいのかサッパリ解らない。
顏は上げていいものなの?
それとも、覗き込まれるような仕草があるまで待った方がいい?
もう~~、それさえも解らないよ~~!!