オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
私はそっと左手を差し出した。
そんな私の行動を『YES』と取った彼は、
目元を細めて口角を僅かに上げた。
すると、差し出した左手の薬指に、ひんやりとした物が……。
ずっしりとしたそれは、夜空の星より眩く輝いて。
「24時間365日お傍にいますから」
「ん」
「嫌だと言っても離れませんよ?」
「言わねぇよ」
「後で撤回するだとか、返せって言ってもダメですからね?」
「しつこい」
「っ……」
照れくさそうに指輪を嵌めてくれたから、
私も照れ隠しで言い返してしまったけど、
そんなやり取りも私達らしくていいのかもね。
ホントは素直に感謝の言葉を伝えたかったんだけど……。
彼はスッキリとした表情で立ち上がった。
そんな彼に勇気を振り絞って抱きついてみた。
「おいっ!」
思いもよらぬ私の行動に驚く彼。
だって、素直に返事が出来なかったから……。
抱きついた彼の身体はとても冷たかった。
長い時間寒空の下にいたせいだわ。
私は慌てて彼から離れようとすると、
腰に回された腕にギュッと抱き締められた。
「やっと捕まえたんだ。もう二度と離さないからな?」
「……………はい」
有無を言わさぬ口調は相変わらずだけど、
これ以上ない程に甘いオーラを纏って……。