オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ


スタッフの誘導でお母様が現れた。


「希和さん、どうだった?」

「はい、とても癒されました。見て下さい。全身艶々です!」

「ウフフッ、それは良かったわ。また近いうちに来ましょうね」

「はい」


長い髪を夜会巻風にアップにしていたお母様は、

少し明るめにカラーリングされ、

緩やかにウェーブした髪が優雅に揺れて……。


白く細い指先に桜色のネイルが施されている。

パーティー当日はどんな装いなのか分からないけど、

春先の装いにはピッタリだわ。


セレブって、こうして全身コーディネートするのねぇ。

直前にあれこれ努力するだけじゃダメなんだわ。

日頃から常に努力し続けないと、

綺麗なドレスも着こなせないって事なんだわ。


セレブリティな生活は華やかだけど、楽じゃないって事ね。


知らない世界を一つずつ勉強して、

御影の嫁として、恥じないようにしなくては……。



部屋を後にし、店舗のエントランスへと出ると。


「御影さんっ!そちらの女性がご子息の婚約者の方ですよね?」


いつの間にか、ビルの前には十数人の報道陣が待機していた。

それを見た瞬間!!


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