オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
「希和さんっ?!」
条件反射の如く、お母様の前に立っていた。
いつも京夜様を護衛しているせいか、
これって、職業病とでも言うのかしら?
自分が標的だと分かった時には、既に手遅れだった。
「こんにちは、お名前をお伺いしても宜しいでしょうか?」
「いつ頃から御影さんとお付き合いされてるんですか?」
「婚約披露パーティーを2日後に控え、今の心境は?」
一斉に浴びせられる質問の数々。
一瞬にして脳内が大パニックに……。
気が動転して、どうしていいのか分からずにいると。
「ごめんなさいね。お応えしたい所ですが、詳しい事は、パーティー当日にいらして下さいね?………行きましょ」
「………はい」
報道陣の前に立ちはだかっていたはずの私なのに、
いつの間にか、私よりかなり小柄のお母様に守られていた。
お母様はとても楽しそうな笑みを浮かべ、
私の腕を取り、ゆっくりと待機している車の元へと。
その間にも無数のフラッシュがたかれ、
自分が何をしでかしたのか………冷汗が出て来た。
どどどどどどどどど、どっ、どうしよう!!
私としたことが……!!
護衛する事には慣れているけど、
護衛されるような立場になった事がなくて……。