オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
何事かとご両親揃って庭先まで……。
「凄い量だな……」
「………申し訳ありません」
「文世さんらしいわ」
彼女だけでなく、ご両親の手も煩わせてしまった。
彼女の母親は胡蝶蘭をえらく気に入ったご様子で
彼女の父親は日本酒の入った桐箱を大事そうに抱えて……。
どうやって敷居を跨ごうか悩んでいたが、
母親の無鉄砲と思える戦法が、返って楽に進める戦法だったのかもしれない。
いや、違うか。
母親の事だから、きっとこれを狙っていたのかもしれないな。
車から下ろした荷物を玄関からリビングへと移動させ、
漸く息を吐けるように……。
気付かれないように深呼吸して。
「改めまして……」
先月、希和と食事をした料亭で彼女の父親と会っている。
閣僚の会合が同じ料亭だった事もあり、
偶然だったが、その時に簡単に挨拶をした。
彼女の母親とは数回、彼女を実家へ送り届ける際に顔を合わせているから
こうしてご両親揃って顔を合わせるのは初めてだったから。
背筋を伸ばして、深々とお辞儀をした。
すると、