オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
「ご馳走様でした」
「あんなにも沢山頂いたのに何のお構いも出来なくて、ごめんなさいね」
「いえ、とんでもないです。……とても美味しかったです」
「京夜君、明日改めてご両親に御礼を言うが、君の方からも宜しく伝えてくれ」
「はい」
「では、明日9時に」
「はい、宜しくお願いします。では、………失礼します」
玄関先で挨拶をすると、ご両親は部屋へとその場を後にした。
手土産にと彼女の母親手製の味噌を頂いた。
「京夜様、お味噌は冷蔵庫に入れておいて下さいね?」
「あぁ、解ってるって」
心配そうに俺の手元を見つめる彼女。
そんな彼女の髪に空いている右手をそっと伸ばして……。
すると、嬉しそうにはにかむ彼女。
今すぐにもギュッと抱き締めたい。
ここが住宅街でまだ車通りもある時間帯だという事がネックだ。
邪な衝動に駆られながらも必死に堪え、
髪を撫でるだけで我慢していると………。
「んっ?!」
「…………京夜様。今日は本当に有難うございました」
彼女は無防備の俺の首に抱きついて来た。
そんな彼女の体を抱き締め返した。