オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
雛壇に到着し、マスコミ向けにお辞儀をすると、
写真撮影の時間が終了となった。
スタッフの指示で報道関係者が次々と会場を後にする。
最後の一人が退場し、重厚感のある扉がしっかりとしまった瞬間、
漸く心から安堵した―――――。
雛壇と言っても、一段高く設けられただけのステージ状のもの。
テーブルもなければ椅子もない。
京夜様の提案で、冒頭の5分程度を雛壇で過ごし、
その後は各テーブルを回って過ごすという。
如何にも注目の的といった状態を出来る限り最小限に留めてくれた。
そんな彼の優しさだけで心が満たされる。
スタッフからシャンパングラスを手渡され、
京夜様の挨拶の後、乾杯を………。
それを機に雛壇から下りて、各テーブルを回ることに。
行く先々で祝福の言葉を頂く。
京夜様の人脈、御影の凄さ……、
日本経済が左右されると言われる所以が解る気がする。
テレビでしか目にした事がない人や、
一生かかってもお会いする事がないであろう人と会話する。
有名な俳優を目の前にした時には、思いのほかドキドキした。
そして、両親がいる円卓に到着すると、
父親が毎日護衛している官房長官がそこにいた。