オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
俺らの話題はとうに終わっているのに
彼女はテレビを眺めたまま微動だにせず、
食事をしていた事さえ忘れてしまったようだ。
そんな彼女の背後に回って……。
「希和」
「………」
「俺がお前を守るから、…………心配するな」
放心状態の彼女を背後からそっと抱きしめた。
「…………京………夜様」
「ん?」
「…………本当に私で良かったんですか?」
「フッ、…………今更何を言ってんだよ」
「だって………」
「…………後悔してるのか?」
「…………してませんけど」
「なら、いいんじゃねぇの?俺らは俺らで」
からくり人形が振り返るみたいに彼女はぎこちなく振り返った。
覚悟してたかと思っていたが、
実際自分の身にふりかかって漸く理解したようだ。
俺も心配してた事だが、やはり思ってた通りだ。
俺という武器を手に入れても、何一つ変わらない。
世の女共なら、すぐさまひけらかす筈なのに。
そんな事でさえ嬉しくて。
「もう俺を守ろうとしなくていいからな?」
「へ?」
「これからは、俺が守るから」