オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
驚きながらも俺の言葉に嬉しそうな表情を見せる彼女。
はにかんだ顔は特別可愛くて、誰にも見せたくないと思ってしまった。
「今夜は俺の部屋で寝るか?」
「ッ?!ごっ、ご冗談を!大丈夫です!結構です!!ご心配には及びません!!自分の部屋で寝ますから!」
「フッ、遠慮しなくてもいいのに」
「べっ、別に……遠慮なんてっ、してませんからっ!!」
「そうか?」
「はいっ!!」
かまをかけたつもりだったが、
予想以上に可愛い反応を見せてくれた。
思わず、俺の悪魔心に火がついてしまった。
「正式に婚約したんだし、何の問題も無い筈だが?」
「っ……あああああ、あっ、ありますとも!!」
「何が?」
「こっ、婚約したからと言って、けっ、結婚した訳ではありませんから……」
「だから?」
「そそそそっ、そういう事は…………きっ、きちんと………ふっ、夫婦になってからでないと……」
「フッ………」
恋愛に疎いのは俺だけではなさそうだ。
彼女の素直過ぎる反応が面白くて、つい虐めてしまった。
涙目になりながらも、
どこか嬉しそうな表情をする彼女の髪をそっと撫で……。
「そうだな。焦る必要はどこにもないしな」
「そっ、そうですよっ!!」
俺の言葉にホッと安堵した様子の彼女。
そんな彼女の耳元にそっと呟いた。
「お楽しみを先延ばしにするんだから、期待していいんだよな?」
「ふぇっ?!!!」
鳩が豆鉄砲をくらったみたいな顔して、俺を見上げた。
「フッ、冗談だ」
「なっ?!」