オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
翌朝、朝食を済ませて身支度をする。
希和は朝食も殆ど口にせず、終始緊張して怯えていた。
1、2日休ませたってどうって事ない。
昨日の今日だから、会社にだって報道陣が待機してるだろうし、
恐らく、このマンションの周りにだってうじゃうじゃいるだろう。
だが、俺はそうするつもりは微塵もない。
隠す必要がないからだ。
それに、世間の注目なんて目新しいものに移り行くもの。
俺らに注目している期間なんてたかが知れてる。
10日?いや、1週間もすれば落ち着くだろう。
別にやましい事をしている訳ではないのだから、
堂々としていればいいだけの事だ。
「希和、そろそろ出るぞ」
「…………はい」
“行きたくない”オーラ全開の希和。
重い腰を上げ、溜息を零した。
「いつも通りにしてればいい」
「ですが……」
「タダで宣伝出来るんだから、返って好都合だろ」
「え?」
来月に予定している新企画。
その事前告知も兼ねてマスコミに取り上げて貰えば、一石二鳥。
希和を狙う輩をけん制する意味合いでも
経営者として、ベストな宣伝を取り込む事も。
マスコミの対応なんて慣れている。
どんな話題なら食いつくかという事も……。