オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ


翌朝、朝食を済ませて身支度をする。

希和は朝食も殆ど口にせず、終始緊張して怯えていた。

1、2日休ませたってどうって事ない。

昨日の今日だから、会社にだって報道陣が待機してるだろうし、

恐らく、このマンションの周りにだってうじゃうじゃいるだろう。


だが、俺はそうするつもりは微塵もない。

隠す必要がないからだ。

それに、世間の注目なんて目新しいものに移り行くもの。

俺らに注目している期間なんてたかが知れてる。

10日?いや、1週間もすれば落ち着くだろう。

別にやましい事をしている訳ではないのだから、

堂々としていればいいだけの事だ。



「希和、そろそろ出るぞ」

「…………はい」


“行きたくない”オーラ全開の希和。

重い腰を上げ、溜息を零した。


「いつも通りにしてればいい」

「ですが……」

「タダで宣伝出来るんだから、返って好都合だろ」

「え?」


来月に予定している新企画。

その事前告知も兼ねてマスコミに取り上げて貰えば、一石二鳥。


希和を狙う輩をけん制する意味合いでも

経営者として、ベストな宣伝を取り込む事も。


マスコミの対応なんて慣れている。

どんな話題なら食いつくかという事も……。


< 259 / 456 >

この作品をシェア

pagetop