オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ


イベントはそれだけではない。

他にも沢山企画している為、

俺らは再び寝に帰るだけの生活になりそうだ。





3月下旬。

会社の自室で膨大な資料をチェックしていると、

希和が淹れたての珈琲を持って来てくれた。


「昼食はどうされます?」

「悪いが、今日も適当に用意してくれ」

「分かりました」


ここ数日あまりにも忙しくて、

昼食を摂る事さえままならない状況。

俺は食べなくてもいいんだが、

俺が摂らなければ、彼女も摂ろうとしないだろう。

それだけは絶対に避けたい為、やむを得ず自室で摂る事に。


彼女は毎朝お弁当を作ろうとするが、

彼女だって毎日クタクタの筈だ。

そんな彼女にこれ以上苦労はさせたくない。


俺がカップに口をつけると、彼女は踵を返して部屋を後にした。

恐らく、昼食を買いに出るのだろう。





午後3時を少し回った頃。

希和が郵便物を手にして現れた。


「京夜様」

「ん?」

「あの、これ………」


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