オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
殺意に満ちてなくても、
希和に危害を加えるかもしれない輩を放っておくのは無理だな。
彼女に確認したが、面識は無いと言う。
やはりそうか。
酒造メーカーと知り合いな訳がない。
ならば、打つ手は一つだ。
俺はすぐさま動いた。
希和が母親と会話している間に、
父親に許可を得て部下の数人に指示を出した。
何かがあってからでは遅い。
何事も早いうちに芽を刈っておかなければ……。
俺は父親の護衛に、女の動向を探るように指示を出した。
すると、すぐさま俺の勘が当たった。
俺宛の封書が会社に届いた。
中身は想像がつく。
こんな簡単な手に俺が靡くとでも考えているのだろうか?
金に眩む世の女共は皆同じだ。
自分が認められなければ姑息な手段を使いたがる。
何故、自分を磨いて努力しようとは考えないのだろうか?
考えが浅はか過ぎて、呆れ返る。
女は相当執着しているとみた。
一通では飽き足らず、その後も頻繁に封書を送りつけて来た。
裏は取れていた。
女の使用人が封書を投函している写真を確認したのだから。
そこまでして、手に入れたいのだろうか?
どんな手を使ってでも諦める事が出来ないのだろうか?
………哀れな女だな。