オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
直接希和に武力で危害を加えられる事を考え無い訳ではない。
けれど、彼女は武術に長けている。
命の危険を察知しない訳がない。
だから、彼女が感じていないという事は、
今は何の問題も無いという事だろう。
だから、俺はいつも通りに過ごす事にした。
* * *
「担当者を今すぐ呼べ!!」
「はいっ!」
本店のバックヤードで苛立ちを抑えきれずにいた。
創業祭を楽しみに沢山のお客様が足を運んで下さったというのに、
手が足りない、忙しい等を理由に在庫があるのにも関わらず、
補充する事さえせずに担当者は、のんきに休憩(昼食)に出てるという。
呆れて物も言えない。
休憩に行く時間があるなら、商品を出せるだろうが!
新聞の折り込みチラシの目玉商品で、客足を左右すると言っても過言じゃない商品なのに
品切れになったのかと思えば、在庫がバックヤードにあるじゃねぇか。
俺はすぐさま近くにいたパートとアルバイトに指示を出し、
自ら率先して陳列を始めた。
すると、諦めて帰りかけていたお客様が一人また一人と戻り始めた。
「あの、すみません」
「はい」
「この商品はどの辺にありますか?」
「はい、ご案内致します」
ウェブチラシを見せ、商品の場所を尋ねるお客様。
俺はすぐさまお客様を売り場へご案内した。