オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
希和side
創業祭も無事に幕を閉じ、結婚式の決め事も本格的になって来た。
京夜様は何事も完璧を求める性格。
仕事も私生活も、そして、結婚に関しても。
私は彼が隣にいてくれれば、他に何も望んでない。
挙式だって、拘りは無いし。
夢みたいなものも無い。
女性なら憧れみたいなものがあるだろう?って聞かれるけど、
結婚自体出来ると思ってなかったから、
正直ワープし過ぎて脳がついていってない。
そりゃあ、“結婚”はしたいけど、
どういう結婚がしたいのか?と聞かれても困るだけ。
それに、結婚は私だけがするものじゃない。
彼だって当人の訳だから、彼が望むものにしたっていいのに。
毎晩のように彼と話し合い、挙式スタイルは彼が決め、
場所は私が決める事になった。
そんな風にして、一つ一つ話し合って決める事となった。
* * *
5月中旬の日曜日。
朝陽が煌めく清々しい朝を迎えた。
朝食を済ませ、私は部屋の片づけをしていると。
「希和、ちょっといいか?」
「あっ、はい!」
ドア越しに、相変わらず低めで心地いい彼の声が聞こえて来た。