オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ


運転し慣れない高級スポーツカーで街中を走行。

すれ違う人どころか、対向車の運転手まで注目する有り様。

目立ちたい訳じゃなのに、必然と目立ってしまってる。

芸能人でも無いし、直射日光が眩しい訳でもないけど、

サングラスをかけない訳にもいかない状況。


はぁ……、庶民の私には罰ゲームね。




午前11時。

この辺り?

ナビが目的地周辺だと言ってる。

辺りを見回すと、20メートルほど先のストリートオブジェの前に彼がいた。

ゆっくり徐行して彼の傍に停車させると、

彼は目配せしながら助手席に乗り込んだ。


「悪かったな」

「いえ、別に構いませんけど……。この車の鍵しか無かったので……すみません」

「あ、いや、いいんだ。あっちのはメンテに出してるから」

「そうなんですか?知らなかったです」

「ん、急に思いついて、昨夜遅くに取りに来させたから」

「……そうだったんですね」

「それより、出してくれ」

「あっ、はい。どちらへ?」

「とりあえず、直進してくれ」

「はい」


京夜様はシートベルトを締めると、長い脚を組み、含み笑いを浮かべた。


彼の指示に従い着いた先は………。


「あっ、ここ…………知ってます!」

「フッ、…………だろうな」

「へ?」



< 277 / 456 >

この作品をシェア

pagetop