オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
運転し慣れない高級スポーツカーで街中を走行。
すれ違う人どころか、対向車の運転手まで注目する有り様。
目立ちたい訳じゃなのに、必然と目立ってしまってる。
芸能人でも無いし、直射日光が眩しい訳でもないけど、
サングラスをかけない訳にもいかない状況。
はぁ……、庶民の私には罰ゲームね。
午前11時。
この辺り?
ナビが目的地周辺だと言ってる。
辺りを見回すと、20メートルほど先のストリートオブジェの前に彼がいた。
ゆっくり徐行して彼の傍に停車させると、
彼は目配せしながら助手席に乗り込んだ。
「悪かったな」
「いえ、別に構いませんけど……。この車の鍵しか無かったので……すみません」
「あ、いや、いいんだ。あっちのはメンテに出してるから」
「そうなんですか?知らなかったです」
「ん、急に思いついて、昨夜遅くに取りに来させたから」
「……そうだったんですね」
「それより、出してくれ」
「あっ、はい。どちらへ?」
「とりあえず、直進してくれ」
「はい」
京夜様はシートベルトを締めると、長い脚を組み、含み笑いを浮かべた。
彼の指示に従い着いた先は………。
「あっ、ここ…………知ってます!」
「フッ、…………だろうな」
「へ?」