オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
「希和」
「はい?」
「…………少し、休まないか?」
「っ……、すみません!つい、夢中になってしまって……」
絶叫系を制覇し、片っ端から乗り物を堪能していた。
京夜様の一言で気付く。
自分だけが楽しんでいるではないか。
京夜様は今日が遊園地デビューだというのに、
そんな事もすっかり忘れていた。
「久しぶりだったので、ついうっかりしてしまって。大丈夫ですか?」
「………ん」
絶叫系が苦手ではなさそうだけど、
それでもちょっとはしゃぎ過ぎたみたい。
ノンストップで1時間半ほど乗りっぱなしだったもの。
私は彼の腕を引いて、カフェに入った。
「京夜様、お腹が空きませんか?」
「………ん、少しな」
「お昼が早かったですし、ここで夕食にしませんか?」
「ここでか?」
「たまにはいいじゃないですか?」
カフェは勿論の事、売店もきちんと営業している。
貸し切りとはいえ、全てがいつも通りの営業みたい。
だから、私はクールダウンする為にも
ちょっと時間を置くことにした。