オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ


「希和」

「はい?」

「…………少し、休まないか?」

「っ……、すみません!つい、夢中になってしまって……」


絶叫系を制覇し、片っ端から乗り物を堪能していた。

京夜様の一言で気付く。

自分だけが楽しんでいるではないか。

京夜様は今日が遊園地デビューだというのに、

そんな事もすっかり忘れていた。


「久しぶりだったので、ついうっかりしてしまって。大丈夫ですか?」

「………ん」


絶叫系が苦手ではなさそうだけど、

それでもちょっとはしゃぎ過ぎたみたい。

ノンストップで1時間半ほど乗りっぱなしだったもの。


私は彼の腕を引いて、カフェに入った。


「京夜様、お腹が空きませんか?」

「………ん、少しな」

「お昼が早かったですし、ここで夕食にしませんか?」

「ここでか?」

「たまにはいいじゃないですか?」


カフェは勿論の事、売店もきちんと営業している。

貸し切りとはいえ、全てがいつも通りの営業みたい。

だから、私はクールダウンする為にも

ちょっと時間を置くことにした。


< 284 / 456 >

この作品をシェア

pagetop