オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ


カフェでパスタとケーキセットをしっかり頂き、

お腹も満たされた事で心にも余裕が出て来た。


「京夜様、行きたい所はありますか?」

「そうだな……」


園内の地図が書かれたパンフレットを彼へ差し出すと。

彼はジャケットを少し捲り、腕時計で時間を確認した。


「おっ、もうこんな時間か」


彼の時計を覗き込むようにして私も確認すると、19時半。

カフェから一歩出ると、外は肌寒いくらい。

日中は夏日になるほど暑いくらいだが、

やはり夜はまだ少し冷える時期だわ。

私は無意識にカーディガンの襟元を手繰り寄せた。

すると、


「よし、アレに乗るぞ」

「アレですか?」


京夜様は少しひんやりした私の手をギュッと握ると、

とても楽しそうに歩き始めた。


着いた先は園内の丘陵地の頂きにある大型遊具。

デートと言えば、やっぱりコレは欠かせない。


スタッフが笑顔で出迎えた。

ちょっと恥ずかしいけど、有難い。

だって貸し切りじゃなかったら、もっと沢山の人にガン見されてると思うもの。

多分、京夜様はこういう事も想定した上で貸し切りにしたんじゃないかしら?


彼の優しさにどっぷり浸かりながら、空中散歩へと。


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