オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
わざとらしく頬を膨らませてみれば、髪を優しく一撫でしてくれる。
やっぱり、京夜様はお優しい方だ。
私は調子に乗って、覗き込むように聞き返すと。
彼ははにかむように顔を背けた。
そんな反応見せたら、私、ますます図に乗りますよ?
完全に調子に乗ってしまった私は、
朱夏に接するような軽いノリで彼の胸を小突いてしまった。
だが、それが彼の癇に触れてしまったようで
後悔した時は………既に遅し状態。
強引にも唇が奪われた。
柔らかい唇の感触。
仄かに香るフレグランスの香り。
そして、後頭部に回された彼の手。
どれもが全て胸を高鳴らせる材料だ。
彼が今、どんな表情なのか窺う余裕が無い。
早鐘を打つ心臓を何とか落ち着かせない事には、
真面に彼の顔すら見れないと思う……。
彼の胸に雪崩れ込んだ私。
服越しに彼の鼓動が耳に届く。
………私よりゆっくりとした鼓動がちょっと苛つく。
やっぱり、好きなのは……私だけなのかもしれない。
ちょっぴり切なくなると、