オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ


彼女の言葉で思い返すと……。

そうか、俺の行動がそう思わせたのだな。

それほどまでに、俺はいつも自分の事しか考えていないという事か。

彼女の言葉で改めて自己中心的な男だという事が痛いほど分かった。


俺の問いに彼女は言葉を探している様子。

そんな彼女の頭にポンと手を乗せ、


「他意はない。いつも気遣ってやれなくてすまない。これからは、自分一人で生きていくのではないのだから、こうして思いやるのも必要だと痛感した所だ。希和、……もっと甘えていいんだぞ?」

「…………京夜様」


希和はカップを両手で握りしめ、

瞳に溢れんばかりの涙を浮かべた。

俺はそんな彼女の頭をポンポンと撫でる。


見た目は女性にしては大柄で、心の強い女性に見える。

けれど、こういう一面を目の当たりにすると、

本当の彼女は誰よりもしおらしく、か弱き女性なのかもしれない。


不意に俺まで笑みが零れていると、

俺の手に彼女の手が重なった。


「京夜様」

「ん?」

「一つ、お尋ねしても宜しいでしょうか?」

「ん、何だ」


彼女は視線を俺の手に落とし、俺の指先をそっと拭った。


「お式を挙げたら………」

「……………ん」

「京夜様も、……………するんでしょうか?」


彼女は頬を赤く染めながら、恥ずかしそうに体をくねらせた。

“する”とは、一体何の事だ?

挙式後に“する”事と言えば………。

あっ、もしかして、…………アレの事か?


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