オレ様専務を24時間 護衛する Ⅱ
そりゃあ、俺でなくとも皆するだろ?
そもそも、結婚しなくたってしてる奴なんてごまんといるんだから。
今更どうこう考える事なのか?
別に今までその気にならなかった訳じゃない。
ただ、彼女を傷つけたくなくて。
俺の中では初めて好きになった子だから、
大事に大事にとっておきたいと思ってしまう。
そりゃあ、キスしたり抱き締めたりしたら
歯止めが利かなくなりそうな時だってある。
だが、せめて式を挙げるまでは自制しようと。
でないと、一日中一緒にいる訳だから
一度でもたがが外れれば、それこそ一年中盛ってる中高生と一緒だろ。
そんな下品な男にはなりたくない。
でも、何故今更そんな事を聞くんだ?
もしかして、俺と、そういう事をするのが嫌だとか?
キスはよくても、それ以上はその気にならない程度の男なのか?
彼女の表情を読み取ろうと視線を落としても、視線が合わない。
希和はずっと顔を伏せたまま。
そんな彼女の顔をほんの少し覗き込むと。
驚いた顔をして、視線を逸らされてしまった。
やはり、そういう………事なのか?
俺は静かに深呼吸して、口を開いた。
「男なら、誰だってしたいと思うだろうが……」
「そうなんですか?私はてっきり男の人はあまりしたくないんじゃないかと……」
「そんなわけねぇだろ。だが、希和が嫌だと言うなら無理強いはしない」
「嫌だなんて、とんでもありません!」
「え?」
「京夜様が、……お嫌でないのなら………」
「…………ないのなら?」
「むしろ、して下さいっ!」
「ッ?!」
ぎゅっと手を握られたかと思えば、ばっと顔を上げた希和。
その表情はとても嬉しそうだ。
―――――じゃあ、しても………問題ないって事、……………だよな?